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北野武映画と聞くと、まず『アウトレイジ』のようなバイオレンス作品を思い浮かべる方も多いと思います。
たしかに、北野武監督作品には暴力や抗争を描いた映画があります。
でも実際に観ていくと、描かれているのは暴力だけではありません。
子どもとの旅を描く『菊次郎の夏』。
若者の行き場のなさを描く『キッズ・リターン』。
何も起きていない時間まで怖く見える『ソナチネ』。
海外を舞台にしながら、孤独と無邪気さが残る『BROTHER』。
時代劇として楽しめる『座頭市』。
北野武映画は、思っているより入口の多い作品群です。
今回は、個人的に好きな北野武監督作品を6本選びました。
番外編として、北野武監督作ではありませんが、ビートたけし出演作として強く印象に残る『血と骨』も紹介します。
※TSUTAYA DISCASの取扱状況は変更される場合があります。視聴前に公式サイトで最新情報をご確認ください。
菊次郎の夏|北野映画が怖い人にすすめたい一本
1999年公開。
監督・脚本は北野武、主演はビートたけし。
母親を訪ねる少年と、遊び人の中年男の一夏の旅を描くロードムービーです。
久石譲の「Summer」は、この映画の印象と強く結びついている曲だと思います。
旅の始まり、夏の空気、少しずつ近づいていく二人の距離感。
その全部を、音楽がやさしく支えています。
モッチの感想としては、北野武映画に苦手意識がある人ほど、まず観てほしい作品。
優しい映画ですが、甘くなりすぎません。
菊次郎の不器用さも、少年の寂しさも、言葉で説明しすぎないから自然に伝わってきます。
「北野武映画=怖い」という印象を少し変えてくれる一本です。
キッズ・リターン|若さの痛さが残る青春映画
1996年公開。
主演は金子賢と安藤政信。
ボクシングとヤクザ。
別々の道を選んだ高校時代の同級生二人の姿を描きます。
この映画は、若者の焦りや行き場のなさを、わかりやすい説教で語りません。
坂道を自転車で進む場面や、二人の何気ない会話から、先の見えない感じが伝わってきます。
モッチの感想としては、年齢を重ねてから観ると、また違って見える作品です。
若い頃は、まだ何とかなる気がする。
でも、現実は思ったより簡単ではない。
その苦さがあるから、ラストの台詞も単純な希望には見えません。
明るいのか、苦いのか。
その割り切れなさが、この映画らしさだと思います。
ソナチネ|静かな怖さを味わうならこれ
1993年公開。
主演はビートたけし。
沖縄の抗争に送られたヤクザ幹部が、待ち時間の中で過ごす日々を描きます。
この映画は、説明がかなり少ないです。
登場人物の感情も、わかりやすく言葉にされません。
そのぶん、何も起きていない時間のほうが怖く感じます。
海辺で遊ぶ場面もあります。
でも、安心して見られる空気ではありません。
楽しいはずの時間の中に、ずっと終わりの気配があります。
モッチの感想としては、北野武映画にある沈黙の怖さを強く感じる作品です。
大きな声や説明で怖がらせるのではなく、沈黙や間でじわじわ追い詰めてくる。
ヤクザ映画なのに、普通のヤクザ映画とはかなり違う印象が残ります。
BROTHER|居場所を失った男の孤独を描く一本
2001年1月公開。
主演はビートたけし、共演はオマー・エプス。
日本を離れ、ロサンゼルスに渡ったヤクザが、異母弟と組織を作っていく姿を描きます。
舞台は海外でも、作品の根っこにあるものは北野映画そのものです。
義理、孤独、居場所のなさ。
言葉や文化が違っても、主人公の抱えているものはあまり変わりません。
モッチの感想としては、『BROTHER』はアクションよりも、居場所を失った男の映画として観ると印象が変わります。
海外を舞台にしているのに、どこかずっと寂しい。
強く見える男が、実はどこにも戻れない。
その寂しさが、この映画の印象として残ります。
アウトレイジ|駆け引きと裏切りを楽しむ抗争劇
2010年公開。
主演はビートたけし。
三浦友和、椎名桔平、加瀬亮、國村隼、小日向文世らが出演しています。
暴力団の内部抗争を通じて、組織の中の力関係と下克上を描く一本です。
『アウトレイジ』は、北野武映画の中でもエンタメ色が強い作品だと思います。
登場人物たちは、それぞれ自分の利益で動きます。
裏切り、利用し、切り捨てる。
モッチの感想としては、印象に残るのは暴力よりも、裏切りと駆け引きの面白さです。
安心して応援できる人物はほとんどいません。
だからこそ、次に誰が誰を裏切るのかが気になってしまいます。
北野武映画の暴力面から入るなら、やはり外せない一本です。
座頭市|時代劇として楽しめる北野映画
2003年公開。
主演はビートたけし、共演は浅野忠信。
勝新太郎の代表作を、北野武監督が新しい解釈で映画化した時代劇です。
金髪の座頭市。
速い殺陣。
音を使った演出。
ラストのタップダンス。
モッチの感想としては、『座頭市』は北野武映画の中でも娯楽性が高い一本です。
見せ場がはっきりしているので、北野武映画に詳しくない方でも、時代劇として楽しみやすい作品です。
それでも軽くなりすぎないのは、場面の合間に北野武らしい静けさがあるからだと思います。
わかりやすく楽しめる部分と、ふと空気が変わる瞬間。
その両方があるところが、『座頭市』の面白さだと思います。
番外編:血と骨|俳優ビートたけしの怖さが残る一本
2004年公開。
監督は崔洋一、主演はビートたけしです。
北野武監督作品ではありませんが、ビートたけし出演作として強く印象に残る一本です。
在日朝鮮人として生きた男の過酷な人生を背景に、人間の生きる力、暴力、欲望を描いています。
きれいな理由も、わかりやすい救いもありません。
最後まで観る側に逃げ場を与えてくれない映画です。
モッチの感想としては、観終わってからしばらく頭の中がざわつきました。
好き嫌いで簡単に分けにくい作品です。
ただ、俳優ビートたけしの怖さを語るなら、外せない一本だと思います。
北野武監督作品を観たあとに『血と骨』を観ると、監督としての北野武と、俳優としてのビートたけしの違いも見えてきます。
どれから観る?タイプ別おすすめ
北野武映画を初めて観るなら、まずは『菊次郎の夏』か『座頭市』から入ると観やすいと思います。
やさしい北野映画を観たい方は『菊次郎の夏』
時代劇として楽しみたい方は『座頭市』
北野武映画らしい静けさや怖さを知りたいなら『ソナチネ』
青春映画として観たいなら『キッズ・リターン』
私利私欲むき出しの抗争劇を楽しむなら『アウトレイジ』
孤独な男の物語として観たいなら『BROTHER』
番外編の『血と骨』は、軽い気持ちでおすすめする作品ではありません。
ただ、俳優ビートたけしの強烈な存在感を知る一本としては、外せない一本だと思います。
今回紹介した北野武映画は、主要な動画配信サービスでは見られない作品が多いのが惜しいところ。
配信で見つからない作品は、TSUTAYA DISCASのDVDレンタルで探す方法もありです。
気になる作品があれば、まずは在庫を確認してみてください。
まとめ|北野武という男の映画
北野武映画を観ていると、暴力や沈黙の奥に、どこか子どものような感覚が残っているように感じます。
作品の形は違っても、どこかに「人はそんなに立派ではない」という視線があります。
北野武という人は、暴力描写の鮮烈さだけで語れる監督ではありません。
描いているのは暴力そのものではなく、その先にある人間の姿ではないでしょうか。
強さの裏にある弱さ。
無口な人間の不器用さ。
ふとした瞬間に見える寂しさ。
その部分があるから、北野武映画は怖いだけでは終わらないのだと思います。
監督としての北野武。
俳優としてのビートたけし。
その両方を知ると、北野武映画は「バイオレンス映画」という一言では片づけられない作品群に見えてきます。
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