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連載開始から約19年。
『宇宙兄弟』が、ついに完結しました。
うぅ……これは、さすがに泣ける。
六太が宇宙に放り出される場面では、思わず「うわぁぁ」「そんな、ムッちゃん……」と声が出ました。
ここまで来て、こんな展開が待っているのか。
最後までハラハラさせられながらも、六太と日々人の物語をここまで描き切ってくれた小山宙哉先生には、感謝しかありません。
そして、長年の連載お疲れ様でした。
『宇宙兄弟』は、何度読み返しても面白い。
一巻から読み直しても、途中の巻を何気なく開いても、気づけばそのまま先へ進んでしまう。
一話ごとのテンポがよく、それぞれの訓練やミッションには、はっきりとした目的がある。
数話だけでも満足できるのに、何気ない会話や過去の出来事が、ずっと先の展開につながっていく。
読み返すたびに、「この時点でもう始まっていたのか」と気づく場面がある。
短い区切りで楽しめる読みやすさと、長い物語を追い続けたくなる力が、同時にある作品だと思う。
そして何より、登場人物全員に人生がある。
六太や日々人だけではない。
シャロン、せりか、ケンジ、ヤンじい、ブライアン、エディ、アポそだってそう。
名前を挙げ始めたら止まらないほど、それぞれに忘れられない場面がある。
脇役として登場した人物にも、夢を持った理由があり、諦めた過去があり、今の選択につながる時間がある。
物語を動かすためだけに置かれた人物が少ないからこそ、誰かが成功すればうれしくなり、別れが訪れれば寂しくなる。
主人公だけを追う漫画ではなく、多くの人の人生を少しずつ見届けてきたような感覚が残る。
六太が主人公であることも、この作品の面白さにつながっている。
六太は、何でも迷わず決断できる人物ではない。
自信をなくし、嫉妬し、失敗を引きずる。
それでも、誰かが困っていると放っておけない。
特別な才能だけで前へ進むのではなく、考えることと、人との関わりによって道を切り開いていく。
だから宇宙飛行士を目指す遠い物語でありながら、六太の悩みには現実味がある。
読んでいる側も、宇宙へ行ける人だから応援するのではなく、何度つまずいても立ち上がる人だから応援したくなる。
『宇宙兄弟』をきっかけに、旅先で天文台や科学館を巡るようにもなった。
宇宙開発は、本来なら専門的で遠い世界だ。
けれど、この作品では宇宙船や訓練だけでなく、そこで働く人の迷いや家族との関係まで描かれる。
宇宙飛行士だけで宇宙へ行けるわけではない。
地上で支える人、機材を作る人、医療を担当する人。
多くの仕事と人生が重なって、一つの計画が動いていることを知った。
漫画を読んだあと、現実の宇宙開発まで調べたくなる。
実際に場所へ足を運びたくなる。
フィクションが現実の行動につながったことも、『宇宙兄弟』を特別に感じる理由の一つだと思う。
物語は終わった。
それでも、これから何度も読み返すはずだ。
そして願わくば、アニメでも最後まで六太と日々人の旅を見届けたい。
長年の連載、本当にお疲れ様でした。そして、本当にありがとうございました。
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